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今回は「障害認定日」についてお話します。
「障害認定日」とは、初診日から起算して「1年6か月を経過した日」のことです。また、1年6か月を経過する前に症状が固定し、治療の効果が期待できない状態を「傷病が治った状態」とみなし、そこを障害認定日とすることもあります。
なお、20歳前からの傷病で障害年金の請求をする場合の障害認定日は、初診日から起算して1年6か月を経過した日または1年6か月を経過する前に症状が固定した日が20歳前にある場合は20歳の誕生日の前日が認定日となり、20歳後にある場合にはその日が認定日となります。
1年6か月を経過する前に障害認定日として取り扱う事例は次のとおりです。
(※)次の①~⑥に該当する状態
①自力で移動できない②自力で食物を摂取できない③糞尿失禁をみる④目で物を追うが認識できない⑤簡単な命令には応ずることもあるがそれ以上の意思疎通ができない⑥声は出るが意味のある発語ではない
障害認定日を迎え、前回までにご説明した保険料の納付要件などを満たしていれば、障害年金の請求をすることができます。これを認定日請求といいます。
ちなみに、健康保険からの給付制度で「傷病手当金」(私傷病で働けない時に受けられる給付金で、3日連続で休んだ後の4日目以降から支給が開始され、最大で1年6か月まで支給対象期間となるもの)というものがあるのですが、この傷病手当金を受給している間であっても障害認定日を迎えれば請求することができ、認定されれば障害年金を受給することとなりますが、同一傷病で障害年金と傷病手当金を同時に受給することはできません。ですが、傷病手当金の受給を満了してから障害年金の請求をすると、障害年金は審査に3~4か月かかるため無収入の期間ができてしまいます。傷病手当金を受給中で、すでに障害認定日を迎えている場合は、傷病手当の期間が残っているうちに障害年金の請求をした方がいいかもしれません。
障害年金コラム(5)
傷病が治った状態
障害認定日
咽頭全摘出
咽頭全摘出日
人工骨頭、人工関節を挿入置換
挿入置換日
切断または離脱による肢体の障害
切断日又は離断日(障害手当金の場合は傷が治った日)
脳血管障害による機能障害
初診日から6か月経過した日以後、医学的観点から機能回復がほとんど望めないと認められるとき。
在宅酸素療法
開始日(常時使用の場合)
人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)
装着日
心臓移植、人工心臓、補助人工心臓
移植日又は装着日
CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)
装着日
胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントグラフト含む)を挿入置換
挿入置換日
人工透析療法
透析開始日から起算して6か月経過した日
人工肛門造設、尿路変更術
造設日又は手術日から起算して6か月経過した日
新膀胱造設
造設日
遷延性植物状態(※)
状態に至った日から起算して3か月を経過した日以後、医学的観点から機能回復がほとんど望めないと認められるとき。
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