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 中小企業における「採用活動」と大手企業の「採用活動」は全く異なるものです。

 

 大手企業は「就活」と言われる言葉に代表されるように「新卒採用」また「専門家集団」を育成するために学卒者を主に採用活動を行います。

 これが中小企業においては「余剰人員を抱えられない」=「人件費の固定費化」により、ほとんどの場合「中途採用」にて人員を「補っている」のではないかと思います。

 その他では大手企業は「転勤」「部門間異動」等、ヒトに「流動性」が生まれますが、中小企業においては同じ部署に後輩の配属がない等、ヒトが「固定化」する傾向にあります。

 

 中小企業における採用の場面では「短期的展望」(離職者の補充)以上に「あらかじめ」ある程度予測可能な「長期的展望」(退職予定者の予測)に立った採用計画を検討することが重要です。

 

 そこで、自社の人員を整理するためにも、一度「ヒトの棚卸」を行なってみることをお勧めします。

 手書きで良いので社長を筆頭に部門ごとに名前、性別、社歴、年齢を簡単にまとめた組織図を作成します。

 

 ここで重要なのが「年齢」をきちんと把握することです。

 たとえば62歳の方がある部門に1名いるとすれば、自社の定年が65歳であれば3年後には「必ず」退職することになります。

 仮にこの方の「スキル」を承継するのに2年程度要するのであれば、今いる従業員の配置転換、従業員間の職務の見直しもしくは「新しい人」の採用等を考え始める必要があります。

 また新しい人を採用するのであれば、長期的視点に立ち「自社に合った人材を育てる」ことを主眼として若い人が良いのか、それとも多少コスト(人件費)が上がったとしても「即戦力」として中途者を募集するのか等も検討しなければなりません。

 

 「担当者が定年退職前だけど後任者がなかなか見つからない」等のお話をよく耳にしますが、有効求人倍率の上昇、働く世代の人口減少、都市部への人口集中の流れにおいては、ヒトを「すぐ」に補充することは今後、今以上に難しくなることは想像できます。

 

 採用計画を「戦略的」に検討する、また自社の「人を把握する」意味でも、「ヒトの棚卸」を是非一度行なってみてはいかがでしょうか。

 

「ヒト」の棚卸について

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